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板橋区文化・国際交流財団

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ほのカルテットのインタビューを公開しました(10/3 ほのカルテットコンサート)

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ほのカルテットに聞く、弦楽四重奏の魅力。
~10/3の公演をもっと楽しむために~

「弦楽四重奏ってあまりなじみがない」そんなイメージを持っている方にこそ聴いてほしいのが、弦楽四重奏団・ほのカルテット。103日(土)の公演を前に、カルテットの魅力や公演の聴きどころを伺いました。

♪- ほのカルテット
1stヴァイオリン岸本萌乃加さん、2ndヴァイオリン林周雅さん、ヴィオラ長田建志さん、チェロ蟹江慶行さんで編成される弦楽四重奏団。東京藝術大学在学中に結成され、国内外のコンクールでも高い評価を受けるなど、若手実力派カルテットとして注目を集めています。

楽器・メンバーとの出会いから、プロの演奏家として歩むまで

―――楽器を始めたきっかけは何ですか?

(蟹江)
学校のオーケストラ部に入ったのがきっかけです。そこでたまたまチェロを担当することになり、気づいたら好きになっていました。始めたのは10歳のときです。実はピアノもやっていましたし、ヴァイオリンも2週間ほど習っていました。でもすぐにやめてしまって(笑)。結果的に続いたのがチェロでした。

(林)
僕は3歳からヴァイオリンを始めました。
小学校4年生のときに、佐渡裕さんが指揮・指導をされているジュニアオーケストラ「スーパーキッズ・オーケストラ」に入団し、そこでヴィオラの長田くんと出会いました。その後、東京藝術大学に進学し、もう10年以上の付き合いになります。1stヴァイオリンの岸本さんも同じくスーパーキッズ・オーケストラ出身で、大学で改めてこのメンバーと再会し、現在の活動につながっています。

―――演奏を続けていく中で、プロの演奏家を目指そうと思ったきっかけはありますか?

(長田)
僕はスーパーキッズ・オーケストラに入るタイミングで、ヴァイオリンからヴィオラに転向しました。最初はヴィオラで使うハ音記号も読めないし、弾き方も違うし、本当に大変だったんです。「もうやめようかな」と思うことも何度もありました。
でも、先輩にとても素敵なヴィオラ奏者がいて。ヴィオラ奏者として誇りをもって心から楽しそうに弾く姿に強く影響を受けました。「内声を弾くのが本当に楽しい」と話していて、僕もそうなれたらいいなと思っています。それが続けようと思った大きなきっかけです。

(林)
実際まだ悩んでいるかな(笑)。音楽で生きていきたいという気持ちはあります。でも、それがヴァイオリンでなければいけないという感覚はなくて。自分の音楽を一番うまく表現できるのがたまたまヴァイオリンだった、という感じですね。

(蟹江)
改めて考えてみると、僕も「チェロで生きていくんだ」と決意した瞬間はなかったですね。10歳で始めてからずっと好きで、ただ続けたいと思っていました。高校進学を考えたときも、「音楽高校に行ったらもっと楽器を弾けるかな」とか、「クラシック好きの友達が増えるかな」とか、そんな気持ちだったんです。それがそのまま今につながっています。ずっと好きなことを続けてきた、という感覚に近いですね。

(岸本)
私は2歳半くらいの頃、たまたま家の近くにヴァイオリン教室があったのがきっかけで始めました。幼稚園の頃から本当に練習ばかりで、小学生のときに一度「もうやめたい」と思い、1日だけヴァイオリンを弾かなかったことがあります。でも、その日が逆に辛く感じてしまって。「自分にはヴァイオリンが必要なんだな」と思いました。ちょうどその頃から東京の先生にも師事するようになり、気がついたら自然と音楽の道に進んでいました。自分で決意したというより、体が自然とそちらに向かっていたような気がします。

ほのカルテットの現在地とこれから

―――「ほのカルテット」はどんなカルテットですか?一言で皆さんのことを教えてください!

(蟹江)
「仲の良さ」。大学の授業でカルテットを組んだのですが、「演奏が上手いから」というより、まず仲が良かったことが大きかったですね。その関係性の良さは、演奏にも表れていると思います。

(岸本)
「ノリの良さ」。これは演奏でもプライベートでも共通している、私たちらしさかなと思います。一人がふざけ始めると、気づけば全員で盛り上がっていることもよくあります(笑)。その雰囲気は演奏にも表れていて、クラシックはもちろん、ポップスなどを演奏するときに自然と出る楽しそうな表情や、音楽に乗っている空気感は、私たちらしいキャラクターかもしれません。

(林)
「柔軟性」があること。メンバーそれぞれがカルテット以外にも様々な活動をしていて、そこで学んだことをカルテットに持ち帰り、またカルテットで得た学びをそれぞれの活動に活かしています。固定観念にとらわれず、それぞれの経験を持ち寄りながら音楽をつくっているので、その化学反応がほのカルテットならではの音楽を生み出していると思います。

(長田)
「MC」も大事にしています。曲に込められた思いや作品の背景を、できるだけ分かりやすくお伝えすること。場を盛り上げたり、進行をまとめたりするのも得意ですね。MCがあることで、演奏とお客様の一体感も生まれやすい。クラシックのカルテットというと少し堅いイメージを持たれることもありますが、僕たちは演奏だけでなくMCも通して、皆さんと一緒に音楽を楽しみたいと思っています。

―――皆さん自身にとって「ほのカルテット」とはどんな存在ですか?

(林)
僕は自分自身と向き合う場だと思っています。普段はいろいろな現場で演奏していますが、自分が主役ではない仕事も多く、その場合はメインの演奏者を支えることが大切です。一方でカルテットでは、メンバーの考えを尊重しながらも、「自分はどういう音楽をやりたいのか」「どう表現したいのか」と、自分自身の考えとも向き合わなければなりません。自分の音楽の軸を考えつつ、同時に相手の考えも受け止め、お互いの音楽をブレンドしていく。その時間が、僕にとってのカルテットですね。

(蟹江)
家族みたいにすごく近い存在だけれど、家族とはまた違う。近いようでいて遠く、遠いようですごく近い部分もある、特殊な関係性だなと思います。僕がカルテットを続けている理由の一つは、ベートーヴェンをはじめ多くの作曲家が弦楽四重奏曲を残していることや、長く活動を続けている弦楽四重奏団が数多くいることです。彼らの演奏に触れると、長い時間を共にすることで、そのメンバーにしか見えない世界がきっとあるのだろうなと思います。そして、その世界をお客様と共有しながら積み重ねていくことで、人生を豊かにしてきたのではないかと感じます。

(岸本)
私は普段オーケストラでも活動していますが、オーケストラには指揮者がいて、ある程度方向性も決まっています。その中で自分の音楽を表現していくという感覚です。でもカルテットは、4人だけで音楽をつくっていきます。何もないまっさらなところから作品を組み立てていくような感覚です。
自由度が高いからこそ、一人ひとりの意思や個性、人間性が音楽に強く表れると思います。そうして4人の色が混ざり合って一つの音楽になっていく、そこがカルテットの面白さだと感じています。

(長田)
僕にとってカルテットは、自分の音楽活動の中核的な部分です。カルテットはいわば「最小単位のオーケストラ」だと思っていますが、一人ひとりの考えや表現を4人で共有しながら音楽を作る経験は、自分の他の活動にも大きくつながっています。僕の中では、まずカルテットが軸になり、そこを中心に音楽を考えることが多いですね。

―――よりよいアンサンブルのために大切にしていることはありますか?

(岸本)
合わせの練習をコンスタントに続けることです。しばらく合わせ練習ができないとカルテットとしての音色が少し変わってくることもあります。些細なことかもしれないですが、私たちはすごく大事にしている部分です。なので4人で集まったときに、またカルテットの音に戻していく作業を大切にしています。
カルテットは4人でないとできないので、一人で譜読みはしますが、その先の音楽的なことや音色づくりは、やっぱり4人そろって初めてできることだと思っています。

(蟹江)
4人の予定が合えば、とにかく練習しているよね(笑)。演奏はもちろん、「なんでそう弾くのか」「どういう意図なのか」といったこともよく話し合います。誰かが「こう思って弾いている」と言ったときに、それに対して自分はどう考えるのか。その違いをどう混ぜたら良い音楽になるのかを考えるのが楽しいです。「こうしてほしい」と一方的に決めるのではなく、お互いの考えの共通点を探していく、その作業が大事だと思っています。

(林)
みんな「こうしたい」が強いので、なかなかまとまらないこともありますね(笑)。

(岸本)
「じゃあ両方やってみようか」と実際に試してみて、その中から自分たちに合うものを選んでいくことも多いです。

―――今後、カルテットとして挑戦してみたいことや展望を教えてください。

(林)
個人的には、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会をやってみたいですね。できれば東京・名古屋・大阪の3都市で。今は東京での公演が中心ですが、関西から来てくださるお客様もいらっしゃるので、いつか実現できたらと思っています。

(蟹江)
弦楽四重奏といえばベートーヴェン、というイメージもありますしね。ベートーヴェンを弾いたあとに他の作曲家の曲を弾くと、彼の弦楽四重奏に対する思い入れの強さを改めて感じます。シリーズとして取り組めたら面白そうです。
今度の定期演奏会(8/1@サントリーブルーローズ)で取り上げるバルトークも、いつか全6曲をしっかり演奏してみたいですね。

(長田)
僕はメンデルスゾーンの全曲演奏会もやってみたいです。一度演奏したことはありますが、時間を経てもう一度向き合うと、新しい発見や違いが生まれると思うんです。

(蟹江)
僕たちはクラシックだけでなく、さまざまなジャンルの音楽も取り上げています。それは単に幅広い音楽を演奏したいというだけではなく、弦楽四重奏の魅力をもっと知ってもらいたいという思いがあるからです。
「ポップスを弦楽四重奏にアレンジすると、こんなに面白くなるんだ」ということも伝えたいですし、本来は大編成で演奏されるような作品でも、弦楽四重奏ならではの表現で魅力を出せることを伝えていきたいです。今回演奏する『シネマ・ノスタルジア』のような壮大な作品も、弦楽四重奏でしっかり表現できる。その面白さをこれからも発信していきたいと思っています。

103日の公演をもっと楽しむために

―――弦楽四重奏はどのような音楽・魅力があるのでしょうか?

(林)
弦楽四重奏は、どんなジャンルの音楽にも対応できる編成だと思っています。メロディー、ハーモニー、リズムといった音楽の基本的な要素が、4人だけで成立します。それでいて、オーケストラ作品をアレンジしても十分な表現ができる。僕は弦楽四重奏を「最強の4人の形」だと思っています。

(蟹江)
弦楽四重奏はもともとサロンなどで親しまれてきた音楽です。大勢に向けて演奏するというより、音楽を愛する人たちが集まり、その響きをじっくり味わう文化の中で育まれてきました。オーケストラのような華やかさや迫力とは少し異なり、響きや音の重なり、そして4人の関係性の面白さを味わえるのが魅力だと思います。

(岸本)
弦楽四重奏は、4人が音楽を通して言葉を交わし、その対話をお客様に聴いていただく感覚に近いです。4人の音がどのように重なり合い、呼応していくのか。そのやり取りを楽しんでいただけるのが魅力だと思います。

(長田)
オーケストラには指揮者がいますが、カルテットにはいません。それぞれが考えを持ち寄りながら、一つの音楽をつくっていく必要があります。自分の意見を持ちながらも、ときには譲ったり、相手に寄り添ったりする。4人で同じ方向を向き続けることが、カルテットの難しさでもあり、面白さでもあると思います。

―――今回のプログラムについて、教えてください。

(林)
最初は《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》から始まり、演奏会の入口として親しみやすい作品を選びました。
続いて、弦楽四重奏を語るうえで欠かせないのがハイドンです。今回演奏する《皇帝》の第2楽章はドイツ国歌の旋律としても知られています。各楽器が順番にメロディーを奏でるので、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロそれぞれの音色にも耳を傾けていただけたらうれしいです。ドヴォルザークの《アメリカ》は、弦楽四重奏の中でも特に有名な作品です。親しみやすいメロディーが魅力的で、弦楽四重奏の名曲として広く親しまれています。初めて弦楽四重奏を聴く方にも、きっとお楽しみいただけると思います。
後半は、「映画のまち板橋」にちなんで映画音楽も取り上げます。これまでの楽曲とは違った、弦楽四重奏の新しい魅力を感じていただけることと思います。その後はウェーベルンを2曲取り上げます。同じ作曲家でも作品によって雰囲気が大きく異なるので、その違いもお楽しみください。最後は、弦楽四重奏にとって特別な存在であるベートーヴェンの《弦楽四重奏曲第16番 第1楽章》を演奏します。

今回は「クラシックの弦楽四重奏に触れていただく」というテーマを大切にしました。少し本格的なプログラムではありますが、僕たちらしいMCも交えながら、お客様に身近に感じていただける演奏会にしたいと思っています。サブタイトルにもあるように、初めて弦楽四重奏を聴く方にも、普段から親しんでいる方にも、新たな魅力や発見をお届けできたらうれしいです。

―――様々な作曲家が並んでいますが、それぞれの作曲家をどのようにイメージしていますか?

(岸本)
例えば、今回は演奏しませんがメンデルスゾーンは、明るくて陽気な部分が多いので、お客様に向かって届けるようなイメージで演奏しています。一方でベートーヴェンは少し違っていて、外に向かって発信するというより、4人の対話をお客様に聴いていただくような感覚があります。

(林)
僕は、ベートーヴェンは自分自身と向き合いながら書かれた音楽だと思っています。人生や内面と向き合いながら生まれた作品という印象があります。僕たちが音楽の中で語り合っていて、お客様にはそこに近づいてきてもらうような感覚ですね。もちろん演奏会なのでお客様に届けるのですが、音楽のベクトルはすごく内側に向いている気がします。
それに対してハイドンは、演奏者の遊び心を受け入れてくれる作曲家だと思います。装飾を加えたり、テンポに工夫をしたりと、演奏者自身のキャラクターを反映できる余白があるんです。だからこそハイドンは、自分たち自身がその面白さを感じていないと、お客様にも魅力が伝わらない、そんな作曲家だと思っています。

―――初めて弦楽四重奏やほのカルテットさんの演奏を聴く方に向けて、コンサートをより楽しむための「注目ポイント」を教えてください!

(林)
「音色の違い」。4つの楽器で演奏していますが、曲によって響きや音色が大きく変わります。その変化を楽しんでください!

(長田)
「ジャンルごとの表現の違い」。様々な時代やジャンルの曲を演奏するので、弦楽四重奏の表現力の幅広さを感じていただけたらうれしいです。

(蟹江)
「対話」。クラシック作品はもちろん、《シネマ・ノスタルジア》や《ミザルー》のような曲でも、4人がどのようにコミュニケーションを取りながら演奏しているのか、ぜひご注目ください!

(岸本)
「生音ならではの響き」。音楽が始まる瞬間の呼吸やアイコンタクト、ホールに広がる豊かな響きなど、その場でしか味わえない空気感をぜひ楽しんでいただきたいです。

―――最後に、お客様へメッセージをお願いします。

僕たちは国際コンクールにも挑戦しており、演奏そのものの魅力もしっかりお届けできると思っています。一方で、映画音楽など皆さんに馴染みのある曲も演奏しますし、普段僕たちが取り組んでいる弦楽四重奏の魅力を、できるだけ親しみやすく、初めての方にも楽しんでいただけるようなプログラムにしました。

肩の力を抜いて気軽に来ていただきたいです!でも、演奏は本格的です(笑)!弦楽四重奏の面白さを知るきっかけになればと思っていますので、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。

ほのカルテットの皆さま、インタビューのご協力ありがとうございました。

ほのカルテット

20181月、全員が東京藝術大学在学中に結成。始動半年で第4回宗次弦楽四重奏コンクールにて第3位、及びハイドン賞受賞(課題曲賞)。20195月、第8回秋吉台音楽コンクール弦楽四重奏部門にて第1位受賞。2021年度プロジェクトQ19章に参加。20235月、大阪国際室内楽コンクール20231部門(弦楽四重奏)において、日本人団体として過去最高の第2位およびアンバサダー賞を受賞。2020年から松尾学術振興財団の奨学金を受ける。2412月にミュンヘンで開催された室内楽フェスティバル、メンシュ-クラング-ラウム・ビエンナーレに、同コンクールのアンバサダーとして参加。これまでに松原勝也、市坪俊彦の各氏に師事。現在、山崎伸子氏の元で研鑽を積んでいる。サントリーホール室内楽アカデミー第7・8期フェロー。

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最新情報や日々の活動は、公式HPや各種SNSで発信しています。ぜひチェックしてみてください!

(板橋区立文化会館小ホールの客席にて。みなさまのご来場お待ちしています!)

公演情報

Premium Selection vol.3
 ほのカルテットコンサート
 情熱、躍動、共鳴―。未だ知らぬ、弦楽四重奏の世界へ!

日時 2026年10月3日(土)14:30開演 (14:00開場)
会場 板橋区立文化会館 小ホール
【全席指定】一般 2,500円、U-25(小学生から25歳)1,000円
※未就学児入場不可。

◆板橋区立文化会館 窓口・電話 03-3579-5666(9:00~20:00)
※窓口・電話ともに施設点検日は17時まで。
◆文化会館WEB→こちら
24時間受付・発売初日9:00~公演日前日まで
◆チケットぴあ(Pコード 327-855)

※プログラムなどの詳細は、こちら

 

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